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東京地方裁判所 昭和49年(特わ)2240号 判決

被告人

1 本店所在地

東京都板橋区舟渡一丁目一四番二二号

橘段ボール株式会社

(右代表者代表取締役中山勝美)

2 本店所在地

埼玉県鳩ケ谷市南二丁目一九番四号

鳩ケ谷段ボール株式会社

(右代表者代表取締役田谷恵)

(同代表取締役 中山勝美)

3 本籍

東京都練馬区大泉学園町二八四番地

住居

右同

職業

会社役員

中山勝美

明治四五年三月四日生

出席検察官

検事 田中豊

主文

1  被告会社橘段ボール株式会社を罰金三百万円に

被告会社鳩ケ谷段ボール株式会社を罰金六百万円に

被告人中山勝美を懲役八月に

それぞれ処する。

2  被告人中山勝美に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する

理由

(罪となる事実)

被告会社橘段ボール株式会社(以下被告会社橘と略称する)は、東京都板橋区舟渡一丁目一四番二二号に本店を置き、段ボールの製造販売を目的とする資本金五〇〇万円の株式会社、被告会社鳩ケ谷段ボール株式会社(以下被告会社鳩ケ谷と略称する)は、埼玉県鳩ケ市南二丁目一九番四号に本店を置き、段ボールの製造販売を目的とする資本金七〇〇万円の株式会社、被告人中山勝美は、右両会社の代表取締役として両会社の業務全般を統括していたものであるが

第一、被告人中山勝美は、被告会社橘の業務に関し法人税を免れるため、売上の一部を除外し、架空仕入を計上するなどの方法により所得を秘匿したうえ

一、昭和四五年一一月一日から同四六年一〇月三一日までの事業年度における被告会社橘の実際所得金額が一六、三〇九、五二六円あつたのにかかわらず、同年一二月二五日、東京都板橋区板橋一丁目四四番六号所在の所轄板橋税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が三、五八三、二〇四円でこれに対する法人税額が七八一、〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額五、四四二、三〇〇円と右申告税額との差額四、六六一、三〇〇円を免れ(別紙一の一、一の二及び四)

二、昭和四六年一一月一日から同四七年一〇月三一日までの事業年度における被告会社橘の実際所得金額が一三、〇二七、〇九三円あつたのにかかわらず、同年一二月二六日、前記板橋税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が六、四三三、四一三円でこれに対する法人税額が一、八九二、三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同会社の右事業年度の正規の法人税額四、三〇七、二〇〇円と右申告税額との差額二、四一四、九〇〇円を免れ(別紙二の一、二の二及び四)

三、昭和四七年一一月一日から、同四八年一〇月三一日までの事業年度における被告会社橘の実際所得金額が二四、六五一、四八三円あつたのにかかわらず、同年一二月二六日、前記板橋税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一二、一二〇、八二九円でこれに対する法人税額が三、八三五、八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同会社の右事業年度の正規の法人税額八、四三六、五〇〇円と右申告税額との差額四、六〇〇、七〇〇円を免れ(別紙三の一、三の二及び四)

第二、被告人中山勝美は、被告会社鳩ケ谷の業務に関し法人税を免れるため、売上の一部を除外し架空仕入を計上するなどの方法により所得を秘匿したうえ、

一、昭和四六年四月一日から同四七年三月三一日までの事業年度における被告会社鳩ケ谷の実際所得金額が四四、二五八、三一〇円あつたのにかかわらず、同年五月三〇日、埼玉県川口市青木二丁目二番一七号所在の所轄川口税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が八、六五一、二六〇円で、これに対する法人税額が二、七九二、一〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同会社の右事業年度の正規の法人税額一五、八六六、五〇〇円と右申告税額との差額一三、〇七四、四〇〇円を免れ(別紙五の一、五の二及び七)

二、昭和四七年四月一日から同四八年三月三一日までの事業年度における被告会社鳩ケ谷の実際所得金額四六、一二六、四三七円あつたのにかかわらず、同年五月三一日、前記川口税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一三、七九五、六四四円でこれに対する法人税額が四、六五九、四〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同会社の右事業年度の正規の法人税額一六、五三四、九〇〇円と右申告税額との差額一一、八七五、五〇〇円を免れ(別紙六の一、六の二及び七)

たものである。

(証拠の標目)

判示事実全般につき

一、被告人の当公判廷における供述

一、被告人の検察官に対する供述調書

一、被告両会社の会社登記簿謄本(二通)

判示第一事実につき

一、収税官吏作成の被告会社橘段ボール株式会社分の次の書面

1  売上除外金額および入金調査書(売上)

2  架空仕入および手数料調査書(当期製品製造原価、支払手数料)

3  預金残高および受取利息調査書(受取利息)

4  簿外貸付金および受取利息調査書(受取利息)

5  受取手形割引利息調査書(支払利息)

6  簿外借入金期末残高および支払利息調査書(支払利息)

7  事業税算出調査書(事業税認定損)

8  簿外有価証券売買調査書(有価証券売買損益)

一、中山勝美の上申書(交際接待費)

一、堀兼潔の収税官吏に対する質問てん末書(賞与引当金繰入)

一、押収してある次の証拠物(公表分)

1  総勘定元帳三綴(昭和五〇年押四六一号の一ないし三)

2  確定申告書三綴(同押号の一〇ないし一二)

判示第二事実につき

一、収税官吏作成の被告会社鳩ケ谷段ボール株式会社分の次の書面

1  売上除外金額および入金調査書(売上)

2  架空仕入および手数料調査書(売上原価、一般管理販売費)

3  たな卸高調査書(売上原価)

4  事業税算出調査書(一般管理費)

5  未収利息調査書(受取利息)

6  期末預金残高および受取利息調査書(受取利息)

一、田谷恵の上申書(売上原価)

一、押収してある次の証拠物(公表分)

1  総勘定元帳二綴(前同押号の一九、二〇)

2  法人税決議書綴中の確定申告書綴(同押号の二一)

3  確定申告書綴(同押号の二二)

(法令の適用)

各被告会社につき

法人税法一五九条、一六四条一項、刑法四五条前段、四八条二項。

被告人中山につき

法人税法一五九条(いずれも懲役刑選択)、刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(第二の一の罪の刑に加重)、二五条一項。

よつて、主文のとおり判決する。

(裁判官 中村勲)

別紙一の一

修正損益計算書

橘段ボール株式会社

自 昭和45年11月1日

至 昭和46年10月31日

〈省略〉

〈省略〉

別紙一の二

製造原価報告書

橘段ボール株式会社

自 昭和45年11月1日

至 昭和46年10月31日

〈省略〉

〈省略〉

別紙二の一

修正損益計算書

橘段ボール株式会社

自 昭和46年11月1日

至 昭和47年10月31日

〈省略〉

〈省略〉

〈省略〉

別紙二の二

製造原価報告書

橘段ボール株式会社

自 昭和46年11月1日

至 昭和47年10月31日

〈省略〉

〈省略〉

別紙三の一

修正損益計算書

橘段ボール株式会社

自 昭和47年11月1日

至 昭和48年10月31日

〈省略〉

〈省略〉

〈省略〉

別紙三の二

製造原価報告書

橘段ボール株式会社

自 昭和47年11月1日

至 昭和48年10月31日

〈省略〉

別紙四

逋脱税額計算書

橘段ボール株式会社

自 昭和45年11月1日

至 昭和46年10月31日事業年度分

自 昭和46年11月1日

至 昭和47年10月31日事業年度分

自 昭和47年11月1日

至 昭和48年10月31日事業年度分

〈省略〉

別紙五の一

修正損益計算書

鳩ケ谷段ボール株式会社

自 昭和46年4月1日

至 昭和47年3月31日

〈省略〉

〈省略〉

別紙五の二

製造原価報告書

鳩ケ谷段ボール株式会社

自 昭和46年4月1日

至 昭和47年3月31日

〈省略〉

〈省略〉

別紙六の一

修正損益計算書

鳩ケ谷段ボール株式会社

自 昭和47年4月1日

至 昭和48年3月31日

〈省略〉

〈省略〉

〈省略〉

別紙六の二

製造原価報告書

鳩ケ谷段ボール株式会社

自 昭和47年4月1日

至 昭和48年3月31日

〈省略〉

〈省略〉

別紙七

逋脱税額計算書

鳩ケ谷段ボール株式会社

自 昭和46年44月1日

至 昭和47年3月31日事業年度分

自 昭和47年4月1日

至 昭和48年3月31日事業年度分

〈省略〉

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